●ヨハヒム・キューン「サバイバー」
ヨアヒム・キューンの未発掘音源「サバイバー」を聴くのだが、この既聴感たるや、初めて聴く音源とは思えない。これぞ、黄金期のマイケル・ブレッカーであるといっても言い過ぎではあるまい。
もちろん、ヨアヒム・キューンやエディ・ゴメス、ボブ・ミュンツァーらの演奏もそうなのだが、マイケル・ブレッカーのこの時代(1981年録音)の、ジャズともフュージョンともつかない雰囲気がたまらない。ステップスのスモーキン・イン・ザ・ピット的なグルーブ感とかもたり感などが感じられるのである。メカニカルなソロを聴くと、先日同様アドレナリンの分泌が促進されるのを感じる。クローズ型のヘッドフォンで一人になって聴きたい演奏だなあ、と思う。誰にも聴かせたくない、独り占めしたい演奏だなあ、と思うのである。
こうしてまた一枚愛聴版が増えることになったのである。