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2006年07月27日

●カーハート/パリ左岸のピアノ工房

cover


また寝食を忘れてしまう本を見つけてしまう。一気に一日で読み終えてしまったほど。この本ほどピアノへの愛情に満ちた本はないのではないか、と思わせるノンフィクション。パリを舞台にした著者のピアノとの再会。ピアノの歴史、構造といった学術的な話から、ピアノとの忘れがたい思い出やピアノを介して出会う人々との対話と交流。そしてピアノを弾く喜びがちりばめられたまさにピアノ賛歌とでも言うべき本。この本を読んだ音楽愛好者であれば、誰しも自らのピアノとの出会いを思い出し、ピアノから離れたことを悔恨し、ピアノとの関係をもう一度持つことができたら、と思うであろう。ピアニストにとってもピアノとの付き合い方が新しくなるかもしれない。かくいう僕もピアノと向き合った子供の頃の苦くもあり懐かしい思い出に浸り、またピアノを始めたいというかなわぬ望みをいだくのであった。

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