« バーンスタイン/マーラー交響曲第8番「一千人の交響曲」 | メイン | チェリビダッケ/ラヴェル「ダフニストクロエ」他 »

2006年08月01日

●ラトル/ドビュッシー交響詩「海」他



ラトルのドビュッシー。特に「海」なんだが、この演奏も凄かった。さすがはラトルとベルリンフィルのコンビ。トラック1の5分50秒近辺で、弦楽器の一糸乱れぬ動きが完璧なまでに海の情景を想起させるのには身震いするほど。ベルリンフィルも本当に上手くて脱帽である。

ラトルを戴くベルリンフィルはほとんど無敵に近いまでの美しさを身にまとうらしい。それが「海」の演奏でも最大限に発揮されている。この美しさはカラヤンのベルリンフィルとは違う。カラヤンのベルリンフィルの美しさが静の美しさであるとすれば、ラトルのそれは動の美しさであると思われるのである。というのも、カラヤンは総譜それ自体の美しさを表出させるが、ラトルは総譜を素材にしてそこから引き出すことのできる最大限の解釈を表出させるようにきこえるのである。それはアコーギグやデュナミークの豊かさから感じるのだと思うし、底流する確固たるグルーヴ感がそれを支えていると思うのである。いずれにせよ、ラトル盤の多くはきわめて魅力的であり、この「海」の演奏においてもその期待を裏切らない。

※ラトルに裏切られたことがないといえば、嘘になるのであって、最近とある盤では残念ながら期待に届かない演奏だったという経験もある。

というわけで、このCDは☆☆☆特薦ということにしたいと思う。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://shushi.s39.xrea.com/x/mtsys33/mt-tb.cgi/538

コメント

こんばんは。
今回もご参加ありがとうございました。
ラトル、嫌いではないんですが、中々積極的に手が出ない(アバド時代ほどではないですが。)ですね。フルプライスのCDが馬鹿らしいからかなあ。
この《海》は、期待できそうですね。

次はちょっと、重めで8月半ば近辺で、戦争や反戦に関する曲・・ということで、考えております。

garjyu

garjyuさん、コメントありがとうございます。確かにフルプライスは財布に痛いです…。

次回もまた楽しみにしています。

こんにちは。
ご参加ありがとうございました。

ラトルはあんまり聴いていないのですが、このCDは購入して聴いてみますね。

次回の8月15日もご縁がありましたら、よろしく!

miwaplanさん、コメントありがとうございます。

次回も楽しみにしています。何を載せるか見当がついてきましたので。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)