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2006年07月24日

●アバド/ベートーヴェン交響曲第5番「運命」



ベートーヴェン交響曲全集に含まれるアバドの運命を聴いてみる。

僕のベスト運命はクライバー盤なのだが、アバド盤もかなり良い演奏であることがわかった。

美しさとか流麗さといった言葉はこの演奏には当てはまらない。そうではなくて、実直さ、真面目さといった言葉がよく似合う運命だと思う。だからといって面白みが無くなるわけではない。実直であるからこそ、安心して最後まで聴くことができるのである。そして、演奏はベルリンフィルの名手たち。だから、イデアールなまでに昇華された規範的運命がそこに立ち現れてくるのである。まさにこの運命が基準となって、他の運命があるのではないか、そう思えてしまうほど完成度が高い運命なのである。ベートーヴェンの演奏はかくありなむ、と思われるのである。

この演奏を聴けば、他のアバドのベートーヴェンを聴く必要を感じるに違いない。というわけで、明日もアバドのベートーヴェンを聴こうと思うのであった。

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