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2006年07月22日

●バーンスタイン/マーラー 交響曲第8番「一千人の交響曲」



バーンスタインの一千人の交響曲を聴いてみたのだが、これはかなりいい演奏である!

僕のデフォルト盤であるショルティ/シカゴ響が実にスマートでスタイリッシュな演奏であるのに対して、バーンスタインのそれは、情感豊かなのである。それはテンポコントロールや歌手の歌い方などによってもたらされている。特にテンポコントロールはかなり具体的で、きき手としてもよく理解できるのである。

テノールのケネス・リーゲルもなかなかよい。テノールが歌うマリア崇拝の博士の部分は、個人的にもっとも気に入っている部分で、一千人の交響曲を聴くとなるとこの部分の善し悪しがもっとも気になる。ショルティ盤のルネ・コロとは違う声質だが、歌い回しが実に情感的・感性的で、全体の雰囲気とよく調和している。ハープのアルペジオが美しいテノール独唱に続く部分もきわめて優れていて深い感動を喚起する。

ただ、残念なのはパイプオルガンの音質。ショルティ盤は、ブルックナーが使っていたというリンツのオルガンを使っているので、オルガンの音質がものすごくよい。バーンスタイン盤はそれに比べてパンチが足りない。第一部の冒頭は強烈なオルガンの和音で始まるのだから、この点は少し残念である。

だがそうした短所は、部分的なものに限定されているので、この盤は愛聴盤になりそうな予感である。

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