2006年06月26日

●チェリビダッケ/モーツァルト「レクイエム」



チェリビダッケらしい重くゆっくりとしたテンポでイントロイトゥスが始まる。さすが、と思うのだが、キリエ、ディエスイレイは普通のテンポに戻る。あのゆっくりとしたテンポで続けられたら、合唱部もかなわないだろうなあ、と思っていたのだが、それは杞憂であった。
そもそもチェリビダッケといえば、ゆっくりとしたテンポで意表をつくことが多いのだが、良く聴いてみると、音楽表現に合わせたテンポ取りをきちんとしているのであって、テンポの遅さが気になるようなことはあまりない。必然的にテンポをコントロールしているのが良くわかるのである。それが証拠に、チェリビダッケのモーツァルト交響曲第40番などは軽快なテンポ取りで、実にはつらつとした表情を見せてくれるのである。
そんな感じで聞き進んでいくと、僕のお気に入りのオッフェルトリウムに差し掛かるのだが、ここはいつ聴いてもいいなあ、と思う。チェリビダッケもやはりグルーヴのある演奏で楽しませてくれる(そもそも楽しんではならない音楽なのかもしれないのだが…)。
総じて、チェリビダッケらしい良い演奏。

2006年06月25日

●秋山和慶氏の「悲しいワルツ」

NHK-FMで秋山和慶氏指揮の大阪センチュリー交響楽団の定期演奏会の最後の部分だけを聞いた。それはシベリウスの「悲しいワルツ」だったのだが、非常に感心したのである。日本的な情感をたっぷりと入れた、しかしそれでいてスマートな演奏。アゴーギグを駆使した演奏は、僕的には実にいい趣味だなあ、と思ったのである。日本のオーケストラを聴いて感心するのは稀なのだが、そんなことは関係なく感心してしまったしだいであった。

2006年06月22日

●プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」全曲



1990年ボローニャでの録音。なぜこのCDを買ったかというと、ロドルフォがサバティーニだったから。彼のロドルフォは2005年にサントリーホールできいたのだが、偉く感心したのであった。何に感心したのかというと、絶妙なピッチコントロール、感情表現にである。

さて、この盤ではどうだったかというと、いやあ、若い。サバティーニの若さがはち切れ点ばかりに出ている気がする。まだ2005年に観たときのような円熟味はあまりみられない。

しかし、盤としての完成度は非常に高くて、サバティーニももちろん悪くはないし、ミミのダニエラ・デッシも上手いし、何より指揮のジャンルイジ・ジェルメッティのドライブの効いた指揮は、メリハリがあって良いのである。といわけで、この盤はおすすめである。

安いのも財布に優しい。うれしいことこの上ない。

2006年06月18日

●宇多田ヒカルはモツレクが好き!?

今日のNHK教育「トップランナー」に宇多田ヒカルが出ていたのだが、その中の質問コーナーでの場面。

参加者「ヒッキーが、元気になりたい時に聴きたい曲と思う曲って何ですか」
宇多田「う〜ん(しばらく考え込む)モーツァルトのレクイエムかな…」
参加者「え…(かなり引く。BGMにレクイエムの「ラクリモーザ」が流れ始める)。でも長い曲ですよね。どのあたりですか?」
宇多田「う〜ん、なんというか、こう、昂揚するところがいいんですよね、7とか8とか(おそらくCDのトラック番号)」

さて、手持ちのCD(ジュリーニ盤)を見てみると、7トラック目はラクリモーザ、8トラック目はオッフェルトリウム。僕が思うに、昂揚するのは間違いなくオッフェルトリウム。BGMにラクリモーザは流さないで欲しかった。だって、ラクリモーザって、「涙の日」っていう意味なのだから…。昂揚とはほど遠い。きっと、オンエアをみて、宇多田ヒカルは、そうじゃないって、オッフェルトリウムだって、と思っていると思う。宇多田ヒカルが番組で「オッフェルトリウムが好きです」とか言ってくれれば、おもしろかったのに。さすが、音楽家宇多田、って感じだっただろうにね。

ちなみに、僕は宇多田ヒカルの楽曲は大好きである(カミさんはDVDも持っている)。

2006年06月16日

●マイルス・デイビス / カインド・オブ・ブルー



マイルス・デイビスときいたら、このアルバムに入っている「Blue in Green」を思い出してしまった。学生時代にバンドでやったときは何とかうまくいった記憶があるのだが、卒業してからまたバンドでやったらうまくいかなかったなあ。良い曲なんだけれど、明確なポリシーがないと演奏できない曲。逆に言うと卒業してからは、そのことに気づいてしまって、上手く演奏できなかったのだと思われる。またやりたいが、いつになることやら。

このアルバムは、マイルスの中でも相当良いアルバム。

2006年06月13日

●ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」・「ペトルーシュカ」/ドラティ指揮、デトロイトso.



先日「ストラヴィンスキーの日」というブログ上のイベントでおすすめとして上げられていたので、早速タワーレコードで購入してみた。

いやあ、聞きしにまさる名演だね、これは。僕のデフォルト盤はアンセルメが振った盤で、カセットテープを繰り返し聞いていたのだが、CDとなって、その音源のクリアさと相俟って、色彩的な激しい音響を良く味わうことができる。ポリリズム的に動くところなんかも良い感じ。「ペトルーシュカ」も良く締まった演奏。
それにしても、デトロイト交響楽団って、結構上手いんだなあ、と思った。
確かにこれはおすすめの一枚に挙げられるなあ、と思うのであった。

2006年06月12日

●プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」(全曲)/アンドレア・ボチェッリ



久々に新しいボエームの音源を聞いてみる。メータの指揮は結構早いテンポ取りできびきびした感じ。ボチェッリは甘いテノール。なかなかいい音源なのだが、やはりカラヤン盤には後塵を拝するかな…。