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2005年06月26日

●権威的な人々

大学時代の素朴な思い出の一つ。
某喫茶店でサークルの仲間とあるCDについて話をしていた。たしか、チック・コリアのアルバムについてだったと思う。このアルバムではジョー・ファレルというサックス奏者が演奏している。僕がとても好きなサックス奏者のひとりなのだが、このアルバムにおいてはリズム(拍)がとれていない部分があったのだ。また他のCDにおいてもすこしリズムが曖昧になる場面を耳にしたことがあった。
僕は「ジョー・ファレルはリズムが悪いんだよね」、と言ったら、後輩はそれに猛反発した。「いやそんなことないですよ」。ところが、そこでサークルの大先輩(偉大なベーシスト)が、「確かに、ジョー・ファレルのあのアルバムでのプレイはリズム悪いよね。最後裏返っちゃうんだよ」とおっしゃった。後輩は黙り込み、僕は大先輩が自らの意見に賛同してくれたと言うことで、密かに軽い優越感を感じるのであった。

それから、数ヶ月後、やはり同じように後輩たちと喫茶店で話をしていたとき。あの、僕に猛反発した後輩はこういったのだ。「ジョー・ファレルはリズム悪いからね」、と。

自分でもう一度聞き直して、リズムのズレを認識したのかもしれないし、大先輩の意見に追従しただけなのかもしれない。

プルースト的な出来事であり、人はいつも変わらない。

プルースト「ソドムとゴモラI」(7)

ちなみに、ジョー・ファレルの演奏は、時に激しく、時に叙情的である。そのインプロバイズをすべて覚えて鼻歌で歌えたころもあった。

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