●ラトル/マーラー交響曲第8番
※画像は国内版です。
マーラーのオペラとも言われる交響曲第8番をラトルが振ったCDが出ていたので購入してみる。国内版は未発売のようだが、輸入盤が某外資系レコード店に山積みされていたのである。数年前にプロムスでユースオーケストラを振っていたのを見たのだが、バーミンガム市交響楽団ではいかに?というところ。
この曲にはひとかたならぬ思い入れがあって、生まれて初めて買ったCDがショルティがシカゴ響を振ったやつで、これを何百回となく聴いてデフォルト音源としているために、いままでこれ以外の音源で良いと思ったものはない。あのテンシュテット盤でさえ灰色のベールがかかったようにぼんやりとしたイメージしか持てない。アバド盤もいまひとつ。ハイティンクやシャイー、クーベリックも聴いたが、どうもいまひとつ。
それで、今回のラトルなのだが、驚いたことに、琴線に響かないのである。いつものように、加速減速がよく効いた演奏。最後の盛り上がりもいいのだが、どうも浸かることができないのである。
原因をかんがえてみたところ、それはテノールにあるのではないか、と思い当たるのだった。ショルティ盤のテノールは、ルネ・コロなのだが、やはりこれ以上の美声はない。第二部の「世界を統べたもう女王よ」の美しさといったら比類なきものなのである。別盤を聴くと、どうしてもここで違和感を感じてしまい、そのまま疑問符を頭の中に巡らせながら終わってしまうのである。
今回もショルティ盤(というよりコロ盤)を越えることはできなかった。残念である。

