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2005年01月16日

●N響アワー 名指揮者列伝 ホルスト・シュタイン

N響アワーの再放送を、片手間にちらちらと見ていたのだが、ホルスト・シュタイン氏が紹介されていた。ホルスト・シュタイン氏は、僕が小学校の頃にその独特の風貌を見て以来、忘れられない人だった。最近お見かけしないなあ、と思っていたら、どうやら病気療養中だとのこと。少々心配である。

ハイドンの「太鼓連打」を聞いたのだが、この端正で力強いハイドンはどういう事だろう。ドボルザークの交響曲第8番でさえ、ボヘミアの純朴な感じは露ぞ感じられず、ほとんどワーグナー的意志の強さが音楽を引っ張っている感じ。本当のドイツ的指揮者というのはこういう方を言うのだろうな、と思った次第。

シュタイン氏はお寿司がお好きだそうで、お寿司を食べながらN響コンサートマスターの堀氏とお話を交わすシーンがオンエアされたのだが(堀氏はドイツ語をきちんと操られておられる)、オーケストラにおける民主主義とは何か、という話題を取り上げていて、シュタイン氏は、以下のようなことを述べられた。


  • 練習中には、楽団員の意見を採り上げることもあるだろうが、演奏会においては指揮者が絶対的な権力を持つ。指揮者は芸術的な責任を負うのである。

  • 指揮者はきちんと時間を守らねばならない。開始時間はさることながら、終了時間も。この時間を守ることは指揮者の義務であるし、時間を守らせるのは楽団員の権利である。

練習中に楽団員の意見を採り上げることもあるだろう、というのは実に意外。もちろん、これはそのまま言葉通りに受け取ることもできないだろうし、ここで言う「意見」というものがどういうものなのかは分からないのだが。指揮者は最終的な「芸術的責任」を負うわけだろうが、その過程で楽団員の意見を聞くこともあるということは、本当に意外。僕は、シュタイン氏のような古風なドイツ人指揮者は、楽団員の意見や権利など認めないぐらいにおっしゃるのかと思ったけれど、意外なほど民主的で合理的な側面をお持ちであると感じ入った。逆に言うと、この合理性(たとえば時間を守るといった風の)こそがドイツ人的なのだろうな、と思うわけである。

堀氏は、この「終了時間を守る」というところに少し驚かれていたようにも見えた。どうやら、そういう指揮者は少ないのではないか、と推察した次第。

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