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2004年12月20日

●バイエルン州立歌劇場「ボエーム」

バイエルン州立歌劇場12月20日の公演は「ラ・ボエーム」である。このオペラには縁があってこれでもう4度目になるけれど、繰り返し見れば見るほど、いろいろわかってくる。

幕が開こうとする時、劇場側からの説明がある。ミミ役のHaraterosが病気のため降板し、代役を捜したがなかなか見つからなかったとのこと。ようやくアルメニア出身のHasmik Papianの出演がきまり「空港からタクシーで」ようやく到着して、やっとのことであわせた、とのこと。Haraterosの評判がよいことを知っていたので少々残念。しかしながら、この代役のPapianも力の強い声で圧倒される。オケにも負けない強い声。もちろん力強いミミだったのかも知れないが、それはそれでミミとして良いミミ。「私はミミ」も絶好調。

ロドルフォは、声のポートフォリオをつけていた。時にオケにかき消されたり、ミミの尻に敷かれたり。もちろん大きな不満はない。

のっけからのけぞってしまう。マルチェッロのガントナーの声の良さといったら…。まるで声を触って確かめることができるぐらいリアリティのある声。コルリーネのHumesもイイ声。やはり日本人とは根本的に体のつくり(ひいては楽器のつくり、歌手の体を楽器に喩えるとするなら)が違うと言うこと。致し方ない。

ベノワのKuhnも、性格俳優的ないい声。こちらもさわれそうなぐらいリアルな声で感動する。脇役なのにこういういい方が出演されているのがすごくて、層の厚さを感じる瞬間。

オットー・シェンクの演出は、もちろんオーソドクスなもので、特に問題はない。ただ、この演出どこかで観たことがあるなあ、と思っていたら、東京のボエームの元ネタなのではないか、ということに気づいたのである。ロドルフォとマルチェッロの部屋の作りが二段になっていたり、第二幕では、ムゼッタに男が群がったり、最終部で軍楽隊と一緒にムゼッタを肩に乗せて消えていったり、とか…。こちらのほうは建物は動かなかったけれど。

指揮者のArmiliatoは暗譜で通している。全体にゆっくりしたスピードで謳わせようとしている感じ。その意図はアンサンブルにおいては全く問題なく機能していて、四重唱最終部をフェルマータさせるあたりは、四人の声の良さや和声自体の美しさをきっちり拡大して見せることに成功していたと思う。あえていうならば、合唱をきっちり掌握できていなかったのが残念。合唱は声は良いのだが、指揮についてこれていなかっただろう。

それにしても、このオペラは良くできている。恋愛あり失恋あり別離あり。そしてなによりもその音楽の美しさと力強さ、若々しさ。悲しい場面でまるで淡い思い出のように登場する楽しいときのあの旋律。第三幕の荘厳な盛り上がり。最終幕の終わり方は少しあっけないけれど。







sq配役種類名前
1Musikalische Leitung-Marco Armiliato
2Inszenierung-Otto Schenk
3Orch-Das Bayerische Staatsorchester
4MimiSopranoHasmik Papian
5MussetaSopranoMargarita de Arellano
6Rodolfo, DihetertenorTomislav Muz(v)ek

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