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2004年11月23日

●菊地 成孔, 大谷 能生「憂鬱と官能を教えた学校」

cover

会社に入ってからしばらくサックスは吹いていなくて、それでも年に一度ぐらいはライブに出ていたりしたけれど、ふとした拍子にジャズ理論を見直そうかなあ、と思った時にこの本をタワーレコードで見かけた。即購入。菊池成孔さんは、うちの大学のジャズサークルの関係者で、一緒にサックスを吹いたことが一度だけある(大学の練習室でブルースを吹いた)。

それにしても、こんなに興味深い本は久しぶり。商業音楽史をバークレー理論という切り口で分析しているのだが、商業音楽とはいえ、ちゃんと西洋音楽自然体を押さえている。平均律の導入のところとか。

ハイアートとサブカルチャーのせめぎ合いみたいなところとか、見えてきて面白い。それは、ガーシュインのエピソードに象徴されている。バークレー理論は、ハイアートに対するアンチテーゼというよりは、ハイアートに相手にされなかったが故に、理論武装をして自らハイアートになろうとしてきたようにも思える。それは、ちょうど、一昔前の大学コンプレクスに似ているのだろう(ラーメン大学、とかそういうふうに「大学」を使うとか、某業界の「※※大学」とか…)。


「実学」と称してバークレー理論のイロハを俯瞰できるのだが、それがすばらしい。某ジャズ奏者のジャズ理論書を何度読んでもわからなかったクチのだが、それはどうやらその本が悪かっただけで、ちゃんと説明されていれば、わかるものだ。自分を責めるのではなく本を責めたほうがよいときもある。十何年も回り道させられたなあ、と…。ちなみに、この本のなかでは「悪書」として紹介されていたわけで、溜飲を下した思いである。

あとは、あらゆるメタファーが秀逸。こういうセンスはとても大好き。わらっちゃう。つられて会社でもついついへんなメタファーを使っちゃって苦笑。

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