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2004年09月18日

●新国立劇場「カヴァレリア・ルスティカーナ」・「道化師」

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久々の新国立劇場です。今シーズンの最初のプログラムは「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」です。ヴェリズモオペラの代表格のこの二つのオペラをカップリングで楽しめるとはなかなかいい機会に恵まれたものです。
(映像は参考までに、ドミンゴ阪を2枚載せてみました。どちらもゼフィレッリ監督の映画版)
どちらも、愛憎劇といってもいいでしょう。愛情の世界という者はどうもこうもうまくいかないことが多いものですね。そしてそれをこうしてオペラの世界まで昇華させることができる二人の二人の作曲家は拍手ものでしょう。

残念ながら、マスカーニ(「カヴァレリア・ルスティカーナ」)もレオンカヴァレッロ(「道化師」)もこれ以外の作品をメジャーなかたちで後世に残すことができなかったのですが、後世に残すことのできたこの二つの作品は、残るだけあってさすがにひと味違う作品となっています。

愛憎というものは、あらゆる人の心の深いところに沈んでなかなか浮かび上がってくるものではありません。会社の上司であろうと部下であろうと、あるいは同僚の心の深いところに沈んでいるはずなのですが、実社会では、それはお目にかかることもないわけです。しかし、ちょうど空気の塊が水面へ向かうように、愛憎も浮力をもっていて、その姿をあらわにしようとするわけですが、僕たちは必死に底に沈めておこうとするわけです。そこに、ひずみが生じて、ストレスとなって体をむしばんだりするわけです。

この二つのオペラの登場人物たちは、この愛憎と呼ぶべき感情を奔放に爆発させています。この爆発が、情熱的な音楽と相まって、僕たちの心に生じているひずみに共振を生じさせるわけで、それが感動となって涙腺を弛ませるわけです。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」のサントゥッツァを演じたエリザベッタ・フィロリッロの深い声質は、サントゥッツァのやるせない苦しみを表現するに十分なもの。力強い声量はフルオーケストラのそれに匹敵していました。トゥリッドゥを演じたアッティラ・B・キスも芯のあるしっかりした声質。美しい間奏曲も楽しめました。この曲は聖母マリアをたたえる歌だったんですね。

「道化師」のジュゼッペ・ジャコミーニ(http://www.grandi-tenori.com/tenors/giacomini.php)は最初はどうやらセーブしていたようなのですが、「衣装を着けろ」ですばらしい気合いを見せて、フィナーレでは会場の心臓をわしづかみにしました。実にすばらしかった。僕が新国立劇場に通い始めて2年ほどになりますが、ここまでのカーテンコールは初めてでしたし、それに見合うだけのものだったと思います。キャリアを見てみても確かにすごいものがありますね。圧倒的でした。

名称(和)カヴァレリア・ルスティカーナ
名称(欧)Cavalleria Rusticana
幕形式1幕
作曲年1889
台本G・ヴェルガの小説により、G・タルジョーニ=トッツェティとG・メナッシ
初演1890 ローマ

sq配役種類名前
1指揮-阪哲朗
2演出-グリシャ・アサガロフ
3演奏-東京フィルハーモニー交響楽団
4サントゥッツァメゾソプラノエリザベッタ・フィオリッロ
5トゥリッドゥテノールアッティラ・B・キス
6ローラメゾソプラノ坂本朱
7アルフィオバリトン青戸知
8ルチアメゾソプラノ片桐仁美

名称(和)道化師
名称(欧)I pagliacci
幕形式プロローグと2幕
作曲年1890-1892
台本カラブリア地方で起こった実話により作曲者自身
初演1892 ミラノ

sq配役種類名前
1指揮-阪哲朗
2演出-グリシャ・アサガロフ
3演奏-東京フィルハーモニー交響楽団
4カニオテノールジュゼッペ・ジャコミーニ
5ペッペテノール吉田浩之
6ネッダソプラノジュリエット・ガルスティアン
7シルヴィオバリトンルドルフ・ローゼン
8トニオテノールゲオルグ・ティッヒ

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