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2004年09月05日

●佐々木譲「ストックホルムの密使」

cover cover

ジュール・ヴェルヌの「皇帝の密使」を思い起こす題名。第二次世界大戦末期、終戦工作がきわめて難しかったことは、終戦時の総理大臣鈴木貫太郎の本(立石優「鈴木貫太郎―昭和天皇から最も信頼された海軍大将」PHP文庫)や、米内光政の伝記(阿川弘之「米内光政」新潮文庫)でも描かれていましたが、上質なる冒険小説に仕立て上げられたこの本はやはり面白く、あっという間に読み終わってしまいました。舞台は日本に限定されず、パリからベルリン、ストックホルム、モスクワ、そして満州へと動いていきます。ヴェルヌの「皇帝の密使」と同じく、ユーラシア大陸を縦断することになろうとは、これは少々意外でした。三部作「ベルリン飛行指令」、「エトロフ発緊急電」は「ストックホルムの密使」で完了。愉しむことはできましたが、ここからもう少し深く歴史をたどってみるのがいいのかも知れません。

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