●万国博覧会の美術
「万国博覧会の美術」を上野の国立博物館で見てきました。
1873年のウィーン万国博覧会から、日本から出品された工芸品・美術品の数々が展示されていました。金細工や象牙細工の綿密な細工や、絢爛たる刺繍、巨大な器や花瓶。どれも日本の国威や技術力を示そうとするにふさわしい品々です。明治維新から日本が背伸びをしてなんとか西欧列強に追いつこうとする気持ちが表れています。
開催されていた国立博物館界隈自体が、そうした日本の背伸びを感じることができるところです。国立博物館の本館しかり、表慶館しかり、おとなりの帝国図書館(今は安藤忠雄のリニューアルにより国際こども図書館になっていますね)、東京芸大しかり。この明治時代からの一大文化ゾーン自体が、この万国博覧会へと続くみちなのでしょう。いまはオリンピック真っ盛りですが、万国博覧会は文化芸術のオリンピックといえるのでしょう(それが証拠に、美術品・工芸品には順位がつけられていたのだそうですから)。
また、日本の美術品・工芸品以外にも、万国博覧会に出品されるなどゆかりの深い絵画や彫刻が展示されていました。そのうちのいくつかはオルセー美術館から借りてきたもので、なじみのあるものもいくつか含まれていました。カバネル「ヴィーナスの誕生」や、ルフェーヴル「真理」を日本で見ることができるとは思いませんでした。時に「ブルジョワ的」と批判されるこれらの絵ですが、万国博覧会といった国威発揚の機会にぴったりです。ですがこの「ブルジョワ的」美しさであろうとも、美しさであることはかわらず、容易に非難することはできないように思います。
残念だったのは、本当に暑い日で、美術館に着いたときにはすでに疲労困憊だったということ。美術館はウォーキングよりも厳しい運動だと思います。ウォーキングは自分のペースをきっちり守ってリズミカルに歩くことができますが、美術館はそうはいきませんので。実際に万歩計をつけて歩いてみたのですが、結構な歩数になりました。普段会社で過ごすときの倍近くですから。おかげで家に帰ると軽い熱射病気味で、12時間以上も寝込んでしまいました。