●ゴスフォード・パーク(2001)
舞台は1930年代のイギリスで、貴族の館、ゴスフォード・パークでのキジ撃ちパーティーで起こる殺人事件を描いている。とはいえ、殺人事件とその謎解きはある意味、脇役以上主役以下的な扱いで、描かれるのは貴族の生活と執事やメイド、料理人たちの生活のコントラストであり、貴族の「階上」と「階下」という言葉でその世界の隔たりが象徴される。
観るものは、階上の世界で貴族たちの習性、たとえばその生活を維持するために金銭を無心する有様は、名誉と欲望と現状を何とか金銭で維持しようとする、我々の姿にも似ている。
だが、この二つの世界は相互不可侵であり、「二股」をかけてパーティーに参加しようとしたアメリカ人は、いわばこの不文律を犯したということで、メイドたちの憎悪の的になる。
人間嫌いという監督のもとで作られた映画は、まさに人間嫌いが観察した人間模様。人間嫌いでもヒューマン・ストーリーを描けるものなんだ、と妙に安心する。
(過去文書より)
