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2004年05月19日

●辻邦生「橋」

ベ平連の「月刊アンポ」に収録された「橋」がネット上にて公開されている(ただし、ページタイトルが「辻邦夫」となっているのには少々困惑)。
旧「ベ平連」運動の情報ページ
http://www.jca.apc.org/beheiren/ampo.html
(「橋」掲載ページ)
http://www.jca.apc.org/beheiren/tsujikunio.html
あたらためて読んでみると、こうした問題は時間に拘束されずに常に存在している様だ。いろいろなレベルはあるだろうが、我々もこうして「橋」の上で停滞しているわけで、いつ「橋」が崩壊するのか、と内心では心配している。だが、その心配に「抵抗」し「黙殺」することで何とか生活を営んでいるという状態なのだ。

遅刻を懸念するサラリーマン風情と、遅刻懸念どころか、「遅刻くらい、大したことぁ、ねえですよ。こちとらは、おまんま、食いあげだぁ……」と言う労働者風情の対立構造。
そして

崩れ落ちた橋のうえで、ひばりが鳴いていた。天に向ってひたすらに上りつづけながら、かげろうのような透明な囀りを響かせていた。

ひばりとは何者なのか?解釈はいろいろできるだろう。形而上的なある者なのか、あるいは、我々を高みから見下ろす支配者なのか…。すくなくとも「ひばり」は「橋」が崩壊しても、どんな影響も被らないだろう。

短い作品なのだが、少し背筋が寒くなる作品。我々の多くは「ひばり」にはなれないのだから。

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