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2004年03月15日

●レハールの苦悩

先日BS2で放送されたドキュメンタリー「レハールの苦悩」を見る。喜歌劇「ジュディッタ」の裏話。レハールは「メリー・ウィドゥ」の作曲者として有名で、ナチス時代もヒトラーお気に入りの作曲家として生き延びることができたわけだ。一方「ジュディッタ」の脚本を書いたフリッツ・ベーダー・レーナーはユダヤ人で、レハールと組んで喜歌劇「ほほえみの国」などで大当たりをとるなどして、栄華を極めたのだが、ナチスによるオーストリア併合の後、ほどなくして強制収容所へ送られてしまう。ベーダー・レーナーはレハールに救われると信じ続けるのだが、アウシュビッツにて死を遂げるのである。妻が半ユダヤ人と認定されたために、レハール自信も妻を守るために必死だったのだが、それでもやはりレーナーの死に責任を感じ苦しめられたのだった。

極限状態で倫理を貫くことができる人は少ないだろう。後から批評・非難することは簡単だろうが、その時々の苦しみを理解することはきわめて難しい。やむなく責任を負うことになるのだろうけれど、それだけでも、足枷を嵌められて地を這うごとき苦しみなのだろう。代わりに苦しむこともできないし、許してあげることもできない。ただただ自分で背負うしかない苦しみを理解してあげること、理解しようとしてあげること、僕らにできるのはこれぐらいかもしれない。

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