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2003年11月27日

●ウィーン国立歌劇場「ホフマン物語」

2004年11月22日、ウィーン国立歌劇場で、オッフェンバックの「ホフマン物語」を観る。

極めて圧倒的かつ上質な演奏と演出。ほんとうに感動した。オペラとはかくあるものか、と。当然、オペラ総本山ウィーンなのだから。

ホフマン役のサバティーニは少し哀愁を帯びた声。「クラインザックの歌」も実にいい。男らしいホフマンだった。

一番印象深かったのは第二幕「アントニア」。アントニア役のソプラノはシミーナ・イヴァン。名前から推して、おそらくは東欧・ロシア系のソプラノ。可憐で美しい姿はアントニアのイメージに合致するし、その歌声も優しさ、芯の強さを併せ持ったものだった。演出的にも、極めて印象深い演出だ。母親が12歳当時のアントニア(子役)とともに登場する。悪魔と母親がアントニアを歌うように説得する。アントニアは歌うと死に至ると医者に止められているのだが、悪魔の誘惑に耐えきれない。悪魔が呼び寄せた母親はピアノを引いて、アントニアの歌の伴奏を始めてしまう。誘惑に屈したアントニアは歌うことによって死に至るのだ。母親の幻影が現れるシーンからの一体感と冷静で幻想的な演出。ため息がでるほどだ。そして、エピローグで、再び母親と娘時代のアントニアが現れる。あのときの感動と言ったら…。もう言葉では言い表せない。光と歌と音楽と。全てが一体になった瞬間だったと思う。
もう決してこれ以上の演奏には出会えないのではないか?あるいは、これ以上の演奏に出会いたくはないな、と思ってしまう。

オッフェンバックの音楽を聴くのはこの「ホフマン物語」が始めて。怪奇幻想的と言われるが、美しいメロディの宝庫。それでも、第1幕「オランピア」、第3幕「ジュリエッタ」に比べて、第2幕「アントニア」が一番よかった。

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