●星降る夜のリストランテ(1998)
星降る夜のリストランテを見る。1998年のイタリア映画で、イタリア(ローマ?)のレストランの開店から閉店までが舞台。
きっと、監督は一人でレストランで食事をして(ちょうど、登場人物の一人「教授」のように)、さまざまな人間模様を見続けていたに違いない。そして、狂言回し的な役割を持つのが「教授」だ。この「教授」は15年来の常連らしく、あまり経済的に余裕のある生活をしているようにも思えない。だが、大きなジェスチャーと韻文の引用を交えながら、エピソードとエピソードのあいだを飛び回る。監督、あるいは観客の分身であるかのように。こうした種々のエピソードには枚挙にいとまがないので、あえて取り上げない。
印象的だったのは、騒がしかった店内もフルートとハープの二重唱が始まると、皆が皆、音楽に聞きほれる。ウェイターから料理人に至るまで、だ。これはとてもうらやましい風景。日本人が日本のレストランなりでこういう風に音楽を聴くだろうか?否、もしかしたら、料亭などで三味線や琴の演奏を聴いたとき、同じように聞きほれてくれるかもしれない。重要なのは音楽が文化に占めている役割、だ。
この映画を見ると、イタリア、ないしはヨーロッパの文化というものがよく分かる。それは定義付けするにはあまりに難しいのだが、空気というか、粋というか、そういうものだ。何度も何度もそこに浸ってようやくわかってくるようなものなんだろう。書物・活字ではわからないものだ。
(★★★☆☆)
